JRAのクラシック三冠とは?歴代三冠馬紹介!

歴代の三冠馬三冠牝馬

中央競馬場(JRA)の三冠は、3歳限定のG1レースで指定された3レースを同年で勝った馬に与えられる称号で、クラシック三冠と牝馬三冠の2種類があります。

目次

クラシック三冠の起源

競馬発祥の地であるイギリスでは、伝統的な3歳限定のレース、2000ギニー・1000ギニー・オークス・ダービー・セントレジャーの5レースをイギリスクラシック競争と呼び、その内、1000ギニーとオークスが牝馬限定であるため、牡馬も出走可能な2000ギニー・ダービー・セントレジャーを同じ年で制覇した馬をクラシック三冠と呼ぶようになりました。
それに習い、日本でも設立されたのが、皐月賞・桜花賞・優駿牝馬(オークス)・東京優駿(日本ダービー)・菊花賞となり、同じく牡馬も出走可能なレース、皐月賞・東京優駿(日本ダービー)・菊花賞がクラシック三冠レースとなります。
また日本では、元の牝馬限定クラシックである、桜花賞・優駿牝馬(オークス)に加え、秋華賞(1995年まではエリザベス女王杯)を合わせて牝馬三冠レースとし、同じ年でその3レースを制覇した馬を三冠牝馬と呼ぶようになりました。

歴代のクラシック三冠馬

現在、同じ年で皐月賞・東京優駿(日本ダービー)・菊花賞を勝利し、クラシック三冠を達成した馬は以下の8頭となっています。

馬名
1941 セントライト
1964 シンザン
1983 ミスターシービー
1984 シンボリルドルフ
1994 ナリタブライアン
2005 ディープインパクト
2011 オルフェーヴル
2020 コントレイル

1941年セントライト 史上初のクラシック三冠馬

イギリスのクラシック優勝馬を父に持ち、母もイギリスからの輸入馬で、半兄であるタイホウが既に11勝を挙げており、良血統と期待され誕生したのがセントライト。
1941年に史上初となる、クラシック三冠馬を達成している他にも、種牡馬としても活躍し、1947年に、セントライトの名の付く重賞レース、セントライト記念が創設されていたり、1984年には中央競馬の発展に多大な貢献のあった競走馬に送られるJRA顕彰馬に選出されました。。

1964年シンザン 五冠馬と呼称された神馬

セントライト以来、23年ぶりとなるクラシック三冠を制した馬で、シンザンは三冠を達成した翌年、1965年に当時八大競走と呼ばれていた、天皇賞・春と有馬記念も制したことから、五冠馬と言われていました。
シンザンはデビューから19戦し、その全てが2着以内と、JRAでのレコードとなる、連続連対数19としており、神馬とも称されています。
シンザンもセントライトと同じように中央競馬への貢献度の高さから、シンザン記念というシンザンの名のついた重賞レースが創設され、1964年と1965年に現在のJRA賞年度代表馬となり、1984年にはJRA顕彰馬に選出されています。

1983年ミスターシービー 1980年代を代表するアイドルホース

19年ぶりのクラシック三冠を達成し、翌年の天皇賞・秋も制して四冠馬となりました。
デビューから引退まで主戦騎手の吉永正人騎手が騎乗しており、初めて終始同じ騎手が騎乗した三冠馬となっています。
追い込み馬として有名で、豪快な走り方と、その端正な見た目から1980年代を代表するアイドルホースとなりました。
1983年に現在のJRA賞年度代表馬となり、1986年にはJRA顕彰馬に選出されています。

1984年シンボリルドルフ 史上初無敗で三冠を達成した皇帝

前年のミスターシービーに続き三冠馬となったシンボリルドルフはデビューから無敗でクラシック三冠を達成した史上初の馬で、同年の有馬記念、そして翌年1985年の、天皇賞・春・ジャパンカップ・有馬記念とクラシック以外のG1を合わせ七冠を達成。
その驚異的な戦績や、神聖ローマ帝国の君主ルドルフ一世に因んだ馬名から皇帝と称されています。
ミスターシービーと同じく、デビューから引退まで同じ騎手(シンボリルドルフの主戦騎手は岡部幸雄騎手)が騎乗していました。
1984年と1985年に現在のJRA賞年度代表馬となり、1987年にはJRA顕彰馬に選出されています。

1994年ナリタブライアン G1競走5連勝を果たしたシャドーロールの怪物

史上5頭目のクラシック三冠を達成したナリタブライアンは、クラシック三冠を含め1993年朝日杯3歳Sと1994年の有馬記念を合わせてG1レースを5連勝し、その中でも皐月賞と菊花賞はレコード勝ちを収めています。
疾走中に自分の影に怖がってしまうという臆病な性格で、下方の視界を遮るため、シャドーロールを装着していました。
途中から精神面的に安定し、シャドーロールを必要としていなかったらしいのですが、その時には競馬ファンの間でシャドーロールがナリタブライアンのトレードマークとなっており、精神的に必要なくとも、トレードマークとして、シャドーロールを装着し続け、シャドーロールの怪物という愛称が付きました。
1994年にJRA賞年度代表馬となり、1997年にJRA顕彰馬に選出されています。

2005年ディープインパクト 日本調教馬初の芝長距離世界ランキング1位となった馬

1984年のシンボリルドルフ以来2頭目の無敗でクラシック三冠を達成した馬。
2006年には日本調教馬の中では初となるワールド・サラブレッド・レースホース・ランキング(WTRR)の芝・長距離部門でランキング1位となりました。
戦績は、日本では13戦12勝2着1回となり、唯一日本のレースで敗北したのは、ハーツクライに負けた、2005年有馬記念。
その後は、引退レースとなる、2006年有馬記念まで、国内では負けなしでした。
引退年となる、2006年にはフランスの凱旋門賞に出走し、3位入線を果たしましたが、違法薬物がレース後体内から検出され、失格となってしまいました。
引退後も種牡馬として活躍し、2012年~2021年の日本のリーディングサイアーとなっています。
2005年と2006年にJRA賞年度代表馬となり、2008年にJRA顕彰馬に選出、また、ディープインパクトの死去を受け、ディープインパクト重賞初制覇を果たした弥生賞を弥生賞ディープインパクト記念と改称されました。

2011年オルフェーヴル 日本調教馬初のロンジンワールドベストレースホース

オルフェーヴルは、6年ぶりの7頭目となるクラシック三冠馬であり、三冠を達成した3年後の2014年に、受賞年の前年の世界のレースを対象に、設定されたランキングで高成績を取り、観衆を魅了した馬に贈られる、「ロンジンワールドベストレースホース」に日本調教馬では初の受賞、世界的に認められた馬となりました。
三冠達成した翌年2012年とさらに翌年の2013年に凱旋門賞に出走し、2年連続で2着と後一歩の所で、凱旋門賞に届かなかった、惜しい結果となっています。
クラシック三冠を取った2011年のJRA賞年度代表馬となり、2015年にJRA顕彰馬に選出されています。

2020年コントレイル 父ディープインパクトと共に世界初親子で無敗クラシック三冠達成

2020年史上8頭目のクラシック三冠馬となったコントレイルは、シンボリルドルフや父であるディープインパクトと同じく無敗のままクラシック三冠を達成した馬で、親子で無敗のクラシック三冠達成は世界初という快挙を打ち立てています。
また、2020年はデアリングタクトが無敗で牝馬三冠を達成した年でもあり、これまで、同じ年で、クラシック三冠馬と牝馬三冠馬が誕生したことはなく、競馬界に激震が走った年となりました。
年度代表馬の受賞はまだないものの、2019年、2020年、2021年と3年連続でJRA賞年代別最優秀牡馬となっています。

歴代の牝馬三冠馬

現在、同じ年で桜花賞・優駿牝馬(オークス)・秋華賞(1995年まではエリザベス女王杯)を勝利し、牝馬三冠を達成した馬は以下の6頭となっています。

馬名
1986 メジロラモーヌ
2003 スティルインラブ
2010 アパパネ
2012 ジェンティルドンナ
2018 アーモンドアイ
2020 デアリングタクト

1986年メジロラモーヌ 史上初の三冠牝馬

史上初牝馬三冠を達成したのはメジロラモーヌ。
当時は、エリザベス女王杯が最終レースに指定されており、その後1996年から、エリザベス女王杯の条件が、4歳牝馬から4歳以上牝馬に変更となったため、変わりに新設された秋華賞が牝馬三冠レースに指定されました。
メジロラモーヌの後に牝馬三冠が達成されたのは2003年となり、既に秋華賞に変更された後となるため、桜花賞・優駿牝馬(オークス)・エリザベス女王杯の組み合わせで牝馬三冠を達成した唯一の馬となります。
常に人気に支持され、デビュー戦から単勝オッズ1.4倍の1番人気に支持され、新馬戦では2着から約20馬身差の大差で圧勝しています。
唯一の大敗となったのは、引退レースとなった1986年有馬記念で初の古牡馬との対戦となり、9着となったもの。
これについては賛否両論あるものの、牝馬三冠を達成時も含まれる、1986年3月から主戦騎手となっていた、河内洋騎手のは雑誌のアンケートでは自身が騎乗した内では最強馬としてメジロラモーヌを挙げています。
1987年にJRA顕彰馬に選出されています

2003年スティルインラブ 初の秋華賞で牝馬三冠達成馬

メジロラモーヌから17年ぶりの達成となり、秋華賞が牝馬三冠レースに指定された後では、初達成となったスティルインラブ。
2・3歳時は、同じサンデーサイレンス産駒の、アドマイヤグルーヴと同世代のライバルとして、常に人気を分け合う形となり、牝馬三冠レースの桜花賞・オークス・秋華賞全てのレースでアドマイヤグルーヴの2番人気となり、それを覆し、三冠牝馬に輝きました。
しかし、牝馬三冠達成以降のレースでは勝つことが出来ないまま引退となりました。
牝馬三冠を達成した2003年のJRA賞最優秀3歳牝馬となっています。

2010年アパパネ 初の秋華賞で牝馬三冠達成馬

史上3頭目の三冠牝馬となったのはアパパネ。
牝馬三冠レースの2戦目となる、オークスでは、JRAのG1競走では初めてとなると1着同着となり、歴史的デッドヒートを繰り広げました。
牝馬三冠達成後のヴィクトリアマイルでも勝利を収め、G1計4勝を挙げました。
引退後繁殖牝馬として、父ディープインパクトで生産された、アカイトリノムスメが、2021年秋華賞馬となっています。
2009年JRA賞最優秀2歳牝馬、2010年JRA賞最優秀3歳牝馬を受賞しています。

2012年ジェンティルドンナ 史上初のジャパンカップ連勝馬

G1レース通算7勝を挙げたジェンティルドンナ。
牝馬三冠を達成した2012年は桜花賞を最初に、オークスと牝馬三冠達成となる秋華賞、そしてその後に出走したジャパンカップではオルフェーブルを抑えて3歳牝馬としては初勝利となり、G1レース4連勝、他重賞を合わせると5連勝を挙げて、その年の年度代表馬となりました。
また、その翌年のジャパンカップでも勝利し、史上初ジャパンカップ連覇を達成。
2014年には引退レースとして目標としていた3連覇のかかったジャパンカップを目標としていましたが、4着と敗れ、その年の有馬記念を引退レースに変更し、見事勝利し引退を迎えることとなりました。
有馬記念を勝利した2014年も年度代表馬を受賞され、また、2016年にJRA顕彰馬に選出。

2018年アーモンドアイ G1通算9勝を挙げた馬

牝馬三冠を始めとして、数々の記録を打ち立ててきたアーモンドアイ。
2018年に出走したレースは牝馬三冠レースを含め、シンザン記念とジャパンカップの5レースに出走し、全勝。
さらに、その内桜花賞とジャパンカップはレコード勝ちとなっています。
中でもジャパンカップではレースレコードとコースレコードを1秒以上更新。
また、史上2頭目となる、天皇賞・秋の連勝やジャパンカップ2勝を達成。
ヴィクトリアマイルの勝利で、当時最多記録タイとなるG1レース7勝目をあげ、連覇となった天皇賞・秋で最多記録を更新、そして続くジャパンカップでも勝利し、自身の記録を更新し、G1レース9勝と史上最多記録を更新し続けました。
2018年と2020年の年度代表馬となりました。

2020年デアリングタクト 史上初無敗で牝馬三冠を達成

史上初無敗で牝馬三冠を達成したデアリングタクト。
同年クラシック三冠を達成したコントレイルも無敗で達成と、かなり話題となりました。
牝馬三冠を達成した後の、ジャパンカップで、2018年の三冠牝馬アーモンドアイと同年のクラシック三冠馬のコントレイルに次いで3着と初めて敗北。
その翌年の6月にケガが発覚し、休養に入ることとなり、2022年復帰となりました。

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